カートコバーンとアクセルローズの対立について

オンタイムでNIRVANAを知らない人にとってはなぜ二人が対立するのか分からない人もいると思われるため、当時の時代背景とともにその理由を簡単に説明したいと思う。

NIRVANAの台頭する前の、1990年初頭のアメリカのミュージックシーンといえば、1980年序盤からの流れであるマイケルジャクソンやマドンナといったポップミュージックの流れとともに、いわゆるハードロック全盛の時代であった。特にハードロックにおいては「ロック」とは言え、ラブソングを歌い、派手な衣装をまとい、アリーナでコンサートを行い、若い女性から歓声を浴びるような存在であり、両者とも“チャライ” 「大衆ロック」、「商業ロック」ミュージックが全盛となっていた。

一方、アメリカは80年代後半から不況にみまわれており、そのような不安定な社会情勢のなかハードロックのような“チャライ”音楽には満たされずにいた若者は多くいたはずである。

そうした時代背景のもとで90年代前半一気に登場したのが、いわゆるハードロックでは無いロックの台頭で、グランジであればサウンドガーデンやニルバーナ、へヴィーロックであればパールジャム、さらに時代は進んで90年代中盤になるとグリーンデイやオフスプリングといったメロコアパンクであった。これらの新しいロック音楽はハードロックには無い、社会不安からくる無気力感を代弁するようなネガティブな歌詞とそれでいて不満を大いにぶちまけるような荒々しいボーカルのラウドやノイジーなサウンドによって当時の若者から支持を集めるようになった。(ちなみにこれらの音楽は主流であったハードロックやポップミュージックでは無いという意味で「オルタナティブ」と呼ばれる。)

そうしたアンダーグラウンドミュージック群である「オルタナティブ」ミュージックの象徴であるカートコバーンが、
ハードロックスターの象徴であるアクセルローズを嫌うのは至極当然のことであると思われる

(もちろんアクセルも元はアンダーグラウンドにいた等の主張はあるかもしれないが、あくまでカート側の目線として記事はかかせていただきました。)

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